オンライン講座「デスティネーションマネジメントESSENCE」2020年6-10月

オンライン講座「デスティネーションマネジメントESSENCE」

 

■本コースの概要と目的

「観光立国」を掲げるわが国において、訪日外国人の急増、観光による地方創生といった背景により、デスティネーション・マネジメント(観光地域経営)の必要性が認識されるようになり、政府はDMO登録制度を設け、その形成・確立に向けた支援に取り組んでいる。しかしながら、わが国では、デスティネーションマネジメントの概念やそれを具体的に実践していく手法について体系的に整理されていない。本講座では欧米におけるデスティネーションマネジメントの概念を整理した上で、その具体的な手法や事業の組み立てについて事例をもとに学びながら、実践的に活用できる手法を習得することを目的としている。DMOのCEO/CMOが担える程度の知識とノウハウを身につけることを到達点としている。

 ▼詳細は以下
https://www.kyodai-original.co.jp/?p=6773


■授業内容と進め方

講義によりデスティネーションマネジメントの基本概念を理解する。そしてデスティネーションマネジメントの構成要素を整理した上で、その要素ごとに事例を通して実践的な手法を学ぶことで観光地経営の方法論を理解する。また地域における(DMOによる)デスティネーションマネジメントのケースメソッドを活用して、その戦略策定における思考方法を身につけることとする。

授業計画 

【形態】 原則的に本コースはWebセミナーの形態とする。
※第19回~第20回のみ京都大学構内にて実施予定

【日程】
6月20日(土)6月27日(土) 7月11日(土) 7月18日(土) 8月01日(土)
9月05日(土)9月19日(土)10月03日(土)10月17日(土)10月31日(土)

【時間割】 
10:00~12:00 午前の部「講義+質疑(90分)」 + 「振り返り+全体討議(30分)」
13:00~14:00 午後の部「講義+質疑(90分)」 + 「振り返り+全体討議(30分)」

【受講料】  180,000円

■共催  京大オリジナル株式会社/DMO推進機構/京都大学経営管理大学院

 

【講座概要】


○第1回「オリエンテーション/デスティネーションマネジメントの考え方」

【講師】大社 充
【内容】オリエンテーションとして本講座の進め方について説明するとともに本講座のテーマとなるデスティネーションマネジメントの考え方を整理して解説を行います。

○第2回「デスティネーションマネジメントの構成要素」
【講師】大社 充
【内容】デスティネーションマネジメントの概念を整理し、その構成要素について項目ごとに説明を行います。また、わが国におけるデスティネーションマネジメントに関する各地の取り組みの経緯を振り返り、DMO導入の背景およびその実態と課題について学びます。

○第3回「スポーツツーリズムのマネジメント」    

【講師】原田宗彦(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)
【内容】東京五輪やワールドカップに代表される国際的なビックイベントのほか、スノーリゾート開発やスポーツ合宿、各種アクティビティなどスポーツを集客コンテンツとした取り組みは、近年、急速に広がりつつあります。スポーツツーリズムの考え方とその手法について学びます。

○第4回「観光デジタルマーケティング」

【講師】鶴本浩司(株式会社マーケテイングボイス代表)
【内容】近年、デスティネーションマーケティングにおいてデジタルマーケティングは不可欠な取り組みとなっています。デジタルマーケティングの種類や手法、旅前・旅中・旅後の各段階における具体的な展開について学びます。

○第5回「地域交通課題を解決するMaaSの可能性」

【講師】村瀬茂高(WILLER株式会社代表取締役)
【内容】来訪者を受入れる地域において交通マネジメントは重要な課題です。二次交通が不足する観光地においては移動手段の確保が必要になり、混雑が発生する観光地においては地域住民の暮らしへの悪影響を回避しなくてはなりません。近年、わが国でも取り組みがはじまったMaaSの実践的事例を学びながら地域交通マネジメントのあり方を考えます。

○第6回「MICEのメカニズムと地域のMICE振興」

【講師】川島久男(川島アソシエイツ代表)
【内容】ツーリズムの対象は必ずしも観光客に限定されません。ビジネス目的の来訪者を集める手段として有効なのがMICE事業です。わが国でもコンベンション施設の建設やコンベンションビューローの設置などMICE振興に取り組んできましたが、これまでの取り組みとともに今後に向けた課題を学びMICE振興の進め方を学びます。

○第7回「『確率思考にもとづく戦略論』の実践手法」
○第8回「『確率思考にもとづく戦略論』の実践手法」

【講師】表 孝憲(株式会社ミツカリ代表取締役)
【内容】マーケティングの第一人者である元USJの森岡毅氏が著した『確立思考の戦略論』(角川書店・2016)に記されるその実践的手法を短時間で分かり易く習得する。講師の表氏は、統計学を活用した人材系サービスを開発した起業家で、統計学にもとづいた戦略立案の手法について演習も行いながら学びます。

 

○第9回「京都の事例に学ぶ景観マネジメント」

【講師】宗田好史(京都府立大学教授)
【内容】観光地において景観は極めて重要な要素となります。京都市では平成19年に策定した建物の高さ規制やデザイン規制,屋外広告物の規制等を全市的に見直した「新景観政策」に取り組んでいます。これら京都市の景観政策の考え方や導入の背景、その成果などについて学びます。

○第10回「観光地の安全管理とリスクマネジメント」

【講師】高松正人(観光レジリエンス研究所代表)
【内容】観光地における安全管理はとても重要な要素となります。来訪者の安心・安全を確保し、地域の事業者の事業継続を守り、「減災」「危機への備え」「危機への対応」「危機からの復興」というプロセスとともに、常日頃から意識して準備しておくべきことを学びます。

 

○第11回「デスティネーションブランディングの手法」

【講師】山田雄一(日本交通公社観光政策研究部長)
【内容】観光集客をはかる上で、デスティネーションとしてのブランドを確立させることは極めて重要で効果的な取り組みといえます。ブランド構築のための取り組みから、確立されたブランドを守っていくためのブランド・マネジメントの手法を学びます。

○第12回「持続可能な観光地域づくりの考え方」


【講師】河田敦弥(観光庁観光資源課長)
【内容】近年、オーバーツーリズムが抱える課題とその対応策について注目が集まっています。観光庁においても「持続可能な観光推進本部」を設け、国際基準に準拠した「持続可能な観光指標」を開発・普及する「持続可能な観光指標に関する検討会」を設置しました。国の目指す基本的な方向性とともに地域における具体策について学びます。

○第13回「観光による地域経済効果の分析手法」

【講師】中澤純治(高知大学地域協働学部准教授)
【内容】観光は裾野の広い産業といわれています。観光客が訪れることで地域がどのように経済的恩恵を受けているのかをデータで明示することは必要不可欠となりますが、そうした客観的データは必ずしも多くありません。観光による地域への経済波及効果を分析する手法について学びます。

 

○第14回「事業促進環境(品質管理・人材・投資)の整備」 

【講師】大社 充
【内容】デスティネーションマネジメントにおいて域内の事業者の事業促進環境を整備することはとても重要な要素となります。人材の確保、新たな施設の誘致や投資環境の整備、また商品・サービスの品質管理など、観光地のブランド管理と整合性をとりながら域内の事業促進環境を整える取り組みについて考えます。

 

○第15回「観光系サービスにおけるイノベーション」          

【講師】前川佳一(京都大学経営管理大学院特定教授)
【内容】近年、ビジネス関連の情報において「イノベーション」という単語を目にしないことはありません。しかしながら、このイノベーションという言葉は正しく理解されているのでしょうか。主にサービス業を主軸とする観光系事業におけるイノベーションの考え方を経営戦略的な立場から解説します。

 

○第16回「総括Q&A」
【講師】大社 充
【内容】ここまでの授業を振り返り、受講生の疑問にも答えながらデスティネーションマネジメントの視点にもとづいた戦略立案について整理して考えていきます。

 

○第17回「地域づくりのためのアドボカシー活動」

【講師】松原 明(市民活動を支える制度をつくる会)
【内容】デスティネーションのマネジメントを行うには、企業マネジメントと異なる考え方や方法論が必要となります。企業経営においては経営学という学問があり、その手法が体系的に確立されていますが、地域マネジメントにおいては、その手法が確立されていません。複雑な利害関係者が共存する地域において、方向性を指し示して同意をとりつけ、目指す着地点に向けて人や組織を動かしていくための手法について考えます。

 

○第18回「デスティネーション観光地Aの評価と分析」
【講師】大社 充
【内容】第19回と第20回では、ある観光地をケースに取り上げ、受講生各自の視点からデスティネーションマネジメント戦略を立案していただきます。そのケースに活用する観光地の情報共有を行うとともに戦略立案に向けた取り組み方を解説します。

 

○第19回 発表「観光地Aにおけるデスティネーションマネジメント戦略」 
○第20回 発表「観光地Aにおけるデスティネーションマネジメント戦略」
【講師】大社 充
【内容】各自が策定したデスティネーションマネジメント戦略を発表していただきます。

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